第八回 フーリエ逆変換とジョルダンの補題

1.

\(\displaystyle\lim_{|z| \rightarrow \infty} f(z) = 0\)を満たす複素関数\(f(z)\)を考える。 このとき、ある実数\(a>0\)について、積分路を以下の図の\(C_1\)のように取ると、

\[ \lim_{R \rightarrow \infty} \int_{C} f(z)\e^{iaz} = 0 \]

が成り立つ(ジョルダンの補題)。\(a<0\)のときは\(C_2\)のように取れば、同様に成り立つ。 このことに注意して、以下の問いに答えよ。

TODO: 図の追加 fig/jordan.eps

(1)

以下の関数\(f(x)\)をフーリエ変換せよ。ただし\(a>0\)とする。

\[ f(x) = \left\{ \begin{array}{cc} 1 & \quad (-a < x < a) \\ 0 & \mathrm{otherwise} \end{array} \right. \]

(2)

前問で求められたフーリエ変換\(\hat{f}(k)\)を逆フーリエ変換し、\(f(x)\)に一致することを確かめよ。

ヒント:\(x<-a\)\(-a \leq x < a\)\(a \leq x\)の場合にわけて積分路を考えよ。

2.

次の微分方程式の境界値問題を以下の手順で解け。

\[ \frac{\mathrm{d}^2 f(x)}{\mathrm{d} x^2} - f(x) = \mathrm{e}^{-|x|} \qquad f(\pm \infty) = f'(\pm \infty)=0 \]

(1)

微分方程式全体をフーリエ変換せよ。

(2)

逆フーリエ変換により、解を求めよ(ヒント:\(x>0\)\(x<0\)に場合わけすること)。

(3)

解を微分方程式に代入し、実際に解であることを確かめよ。