昨日の炎上の人、過去にも「株式会社は21世紀最大の発明」と書いており、日常的に裏を取らずに文章を書く人であるらしいことがわかる。
問題なのは、「最初の株式会社とされるのが東インド会社で、設立が17世紀である」ということを知っていることではない。「株式会社は21世紀最大の発明」と書く前に、ちょっと裏を取るために調べてみようと思わないこと」だと思う。ちょっと調べれば、近代的な株式会社の仕組みは、少なくとも19世紀ごろには確立していることがわかるはず。
大学で学ぶべきことは知識ではなく、「自分が何を知っていて、何を知らないか」を把握すること、知らないことを妄想で埋めないようにして、きっちり調べること、その姿勢なんだよね。これもちゃんと言語化して、学生さんに継続的に伝えなければならない。
うーん、後でNoteにでも書くために、ちょっと下書きしておこうかな。
「卒論・修論で学ぶべきこと、学んでほしいこと」
理工系の大学では、多くの場合学部で卒業研究を行い、卒業論文を執筆することになります。また、修士に進む人も多く、その場合は修士論文も執筆することでしょう。これまで、小学校、中学校、高校、大学と、基本的に「授業/講義を受けて学ぶ」という受動的な学習から、ここで初めて本格的に能動的な学習を実践することになります。私は、「研究は勉強ではない」と伝えています。優秀な学生ほど、知識不足を恐れて、手を動かす前に十分に勉強をしようとします。しかし、研究の主目的はあくまでもアウトプットであり、インプットはその手段に過ぎません。また、これまでの学習では、基本的に問題と答えがセットでしたが、業研究や修士論文研究では、テーマは与えられるものの、答えは用意されていません。教員は「こうなるんじゃないかな、こんな結果が出るんじゃないかな」と予想はしていますが、それが正しい保証はありません。
繰り返しになりますが、研究は勉強ではありません。卒業研究、修士論文研究は研究成果を出すのが目的であり、勉強が目的ではありません。しかし、大学が教育研究機関である以上、卒業研究、修士論文研究も教育の一貫として行われています。しかし、この教育は就職の準備のために行われているのではありません。研究テーマが就職先での仕事に直接関係することは稀です。にも関わらず、卒業研究、修士論文研究が教育であるとはどういうことでしょうか?また、教育であるならば何を学ぶべきなのでしょうか?以下では卒業研究、修士論文研究の教育的側面について書いてみたいと思います。
なお、卒業研究、修士論文研究に求めるものは、大学、学部、教員によって異なります。ですので、以下はあくまでも執筆者の個人的な意見であることを予めお断りしておきます。
まず、研究を通して一番最初に身に着けて欲しいスキルはサーベイです。全ての研究は、膨大な先行研究の上に立っています。同じ課題であっても、様々な手法、考え方で解決が試みられています。指導教員から「こういう方法でやってみたらどうか?」と言われた場合、まず把握すべきは「他にどういう方法があるのか?」「いつ頃からどんな研究がなされているのか?」ということです。
多くの研究室では、定期的な研究室ミーティングにおいて、論文発表をすることでしょう。これは、自分の研究に関連した論文を読み、それを研究室メンバーに紹介するというものです。この作業を通じて、学生さんは論文の読み方、発表の仕方を学ぶことになります。
論文を読む時、一番大事なことは、その研究の背景を理解することです。なぜその研究をしようと思ったのか、なぜその研究をしなければならなかったのか、その動機を理解しなければいけません。論文に書いている細かいテクニックなどの把握は(もちろん必要ですが)、背景を理解した後でかまいません。
少し前に、ウェブ技術についての本が炎上したことがありました。Web 3についての解説書だったのですが、Web 1やWeb 2の記述があまりにも不正確だ、というものです。実際に読んでみましたが、「自分が話したい結論」が先にあり、その結論に合うように断片的な知識からストーリーを組み上げてしまった、という印象を受けました。また、その人が書いた別の記事に「株式会社は21世紀最大の発明」という文章もあり、裏を取らずに文章を書く人であることがわかります。
ここで重要なのは「株式会社の起源は東インド会社であり、設立が17世紀である」ということを知っていることでも「近代的な株式会社の仕組みは19世紀頃に確立している」ということを知っていることでもありません。「株式会社は21世紀最大の発明」と書く前に、「株式会社についてちょっと検索してみようかな」と思うことです。
学問において非常に重要なのは知識そのものではありません。「『自分が何を知らないか』を知っている」ことです。人間は、自分が知らないことがあると、自分の知っていることで埋めようとします。これは普通のことですが、学問により、その「普通」からの脱却するする技術を身に着けます。
卒業研究、修士論文研究を通じて、ある程度「自分の専門」に近い分野については詳しくなります。すると、その分野に膨大な先行研究があり、とてもじゃないが全てを把握するのは困難であることがわかるでしょう。当然ですが、その全てを把握する必要はありませんが、「全てを把握できないほど先行研究が多数ある」という事実は知っておく必要があります。すると、自分の専門ではない分野においても、同様に先行研究が死ぬほどあるのであろう、と推定することができます。このような感覚を持てば、自分が知らない分野において、自分が簡単だと思う方法を採用していない場合に、「この分野の専門家はアホ」と断じる前に、「なぜそんな誰もが思いつきそうな簡単な方法を採用していないのだろう?何か理由があるのではないだろうか?」と思い、「○○分野 XX法」で検索してみるようになることでしょう。
サーベイの主目的は、当然のことながら自分の専門分野の研究背景について知ることですが、それを通じて、「自分が知らないということを自分で認識すること」そして、「自分が知らないことを妄想で埋めずに、しっかり調べる」という癖をつけることの方が重要です。
TODO: 続く?
どうでも良いけど、「バズったツイートの引用ツイートの内容を、そのツイートのリプライとしてぶら下げるbot」というのが存在するっぽい。アイコンはだいたい煽情的な姿をした女性。しかし、固定されたツイートを見ても、他のツイートを見ても、あからさまな広告への誘導はないっぽい。DMさせて何かするためのbot?バズったツイートのリプライを見て、そのリプライに煽情的な姿をした女性がいるから、そのアカウントにDMしよう、なんて考える人いるのかな?謎。