普通に学ぶ解析力学
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この講義ノートについて
これは、大学の学部二年生もしくは三年生向けの解析力学の講義ノートとして書かれたものである。特に奇をてらった箇所はなく、一年生で学んだ力学の復習から始まり、ラグランジアン、ハミルトニアンから変分原理により運動が支配される様子を学ぶ。講義の目的は、変分原理により運動方程式が導かれること、運動方程式を解かずともラグランジアン、ハミルトニアンから運動の様子がわかることを理解し、量子力学であらわれるハミルトニアンの準備をすることである。
この講義ノートは教員向けに書いてある。すなわち、黒板に数式や図を書いていくためのノートである。したがって、式番号などは存在しない。式は原則として上から順番に書いていくことを想定している。無論、学生が自習のために用いることは妨げない。
解析力学は多自由度系でこそ真価を発揮するが、和記号が乱舞すると式変形の本質を追えなくなることを恐れて、なるべく一次元の物体の運動、すなわち一自由度系で議論を構築する。ただし、多変数の扱いが重要であると思われる箇所では多自由度系も扱う。
はじめに
- なぜ解析力学を学ぶのか
解析力学の外観
- 式の見方について
- 解析力学の概観
数学的準備
- ベクトルとスカラー
- 微分と偏微分
- ベクトル解析
- 全微分と内積
- 余談:ダッシュかプライムか
ニュートンの運動方程式
- ニュートン力学
- 座標変換と運動方程式の共変性
- 保存則
- 余談:リンゴに働く力
仮想仕事の原理
- 仕事
- 拘束力と仮想変位
- 仮想仕事の原理
- 余談:雑草の名前
ハミルトンの原理
- ダランベールの原理
- ラグランジアンとハミルトンの原理
- ラグランジアンと運動方程式
変分原理
- 汎関数微分
- オイラー・ラグランジュ方程式
- ラグランジュの未定乗数法
- フェルマーの原理
ラグランジュ形式の力学
- ラグランジアン
- 一般化座標と一般化速度
- 点変換
ハミルトン形式の力学
- 一般化運動量とハミルトニアン
- ルジャンドル変換
- 余談:双対変換
位相空間とリュービルの定理
- 位相空間
- リュービルの定理
- 余談:理論の正しさ
正準変換
- 正準変換
- 母関数
ポアソン括弧
- ポアソン括弧
- Lie代数
- 三次元回転
- 余談:サイコロの雌雄と生命の選択
微小正準変換とネーターの定理
- ハミルトニアンと対称性
- 微小正準変換とネーターの定理
- 余談:全ては◯◯に過ぎない病
微分形式
- 外積と外微分
- 微分形式とベクトル解析
- 微分形式による正準方程式の表式
解析力学から量子力学へ
- 古典力学と量子力学
- 前期量子論
- 演算子の交換関係
- シュレーディンガー方程式
おわりに
より深く学ぶために
- 教科書の読み方
- 参考文献
ライセンス
Copyright (C) 2022-present Hiroshi Watanabe
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